ラッセル関係電子書籍一覧 |
コンラッド(Joseph Conrad)のものの見方は,現代人の物の見方からは,はるかにかけはなれたものであった。現代世界には,2つの哲学がある。1つはルソーから由来するもので,規律を不必要なものとして脇に一掃してしまう。もう1つは -その完全な表現を全体主義のうちに見ることができるが- 規律を外部から課せられる本質的なものと考える。コンラッドは規律を(人間の心の)内部から来るべきものであるという古い伝統に固執した。彼は規律のなさを軽蔑し,また単なる形式的な規律を嫌った。すべてこうした点で,私は,自分が彼とほとんど一致していることがわかった。私達は,まさに最初に会った時,語り合うほどにしだいに親密度を増していった。
Joseph Conrad's point of view was far from modern. In the modern world there are two philosophies: the one which stems from Rousseau, and sweeps aside discipline as unnecessary, the other, which finds its fullest expression in totalitarianism, which thinks of discipline as essentially imposed from without. Conrad adhered to the older tradition, that discipline should come from within. He despised indiscipline and hated discipline that was merely external. In all this I found myself closely in agreement with him. At our very first meeting, we talked with continually increasing intimacy.
Source: The Autobiography of Bertrand Russell, v.1
More info.:https://russell-j.com/beginner/AB17-050.HTM
<寸言>
ラッセルとコンラッドは思想において共通点は少なかったが、人生観や人生哲学においては、不思議なほど一致していました。ラッセルが特に共感を覚えたコンラッドの小説は『闇の奥』(Heart of Darkness)で、これはフランシス・コッポラ監督によって「地獄の黙示録」として映画化されました。小説ではアフリカのコンゴの密林が舞台でしたが、映画ではベトナムの戦場が舞台となっています。
アマゾンのプライム会員なら、Prime Video で無料で視聴できます。
ラッセル関係電子書籍一覧
#バートランド・ラッセル #Bertrand_Russell