バートランド・ラッセルの名言・警句( Bertrand Russell Quotes )

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 ケンブリッジ大学出版部はその本の刊行によって差し引き600ポンドの損失があるだろうと見積もった。大学の特別評議員会の委員たちは,300ポンドの欠損は喜んで負担するが,それ以上大学が負担することはできないだろうと考えた。英国学士院は寛大にも200ポンドを寄付してくれたが,残りの100ポンドは私たち(著者)二人で工面しなければならなかった。このようにして,10年間の労働によって,一人あたりマイナス50ポンドずつかせぎ出した(注:利益を得るどころか,一人あたり50ポンドの負担しなければならなかった)。 

The University Press estimated that there would be a loss of £600 on the book, and while the syndics were willing to bear a loss of £300, they did not feel that they could go above this figure. The Royal Society very generously contributed £200, and the remaining £100 we had to find ourselves. We thus earned minus £50 each by ten years' work.
 Source: The Autobiography of Bertrand Russell, v.1
More info.:https://russell-j.com/beginner/AB16-140.HTM

<寸言>
 専門的であればあるほど、売上を見込めず、出版補助金がどれだけでるかで、出版できるかどうかが決まってしまう。ラッセルの画期的な著作も、大学及び英国学士院の多額の補助があっても、結局、著者もかなり負担して初めて出版することが可能となった。
 この『プリンキピア・マテマティカ』(全3巻)を通して読んだ者はごく少ししかいないと言われていたが、今は記号論理学の古典となっている。即ち、「評価される」が「読まれることはない」ものとなっている、という意味で。

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