バートランド・ラッセルの名言・警句( Bertrand Russell Quotes )

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 そうした内省の5分間が過ぎた時,私はまったく違った人間になっていた(1901年春=ラッセル29歳の時)。・・・長年の間,ただ精確さと分析をのみ好んできたが,美に対する半ば神秘的な感情,子供に対する強い関心,また,人生を堪えることができる何らかの哲学を見いだしたいという釈迦の場合と同じような深い望みに満たされている自分を発見した。・・・その時確かに自分は所持していると思った神秘的な洞察力もその後かなり色あせ,分析の習慣が再び自己主張し始めた。しかしあの瞬間に確かに自分が悟ったと思うことの幾つかはいつも心の底に残り,それが,第一次世界大戦中の私の態度,子供への興味,小さな不幸に対する無頓着,及び,私の人間関係すべてにおけるある感動しやすい情的な傾向を私にもたらしたのである。

At the end of those five minutes, I had become a completely different person. ...Having for years cared only for exactness and analysis, I found myself filled with semi-mystical feelings about beauty, with an intense interest in children, and with a desire almost as profound as that of the Buddha to find some philosophy which should make human life endurable... The mystic insight which I then imagined myself to possess has largely faded, and the habit of analysis has reasserted itself. But something of what I thought I saw in that moment has remained always with me, causing my attitude during the first war, my interest in children, my indifference to minor misfortunes, and a certain emotional tone in all my human relations.
 Source: The Autobiography of Bertrand Russell, v.1
More info.:https://russell-j.com/beginner/AB16-030.HTM

<寸言>
 ホワイトヘッド夫人が目の前で激痛で苦しんでいながら何もしてあげられない体験は、それまで「自由主義的帝国主義者」だったラッセル(注:本人の弁)の人間性を激変させる出来事でした。
 その一つの象徴が、南阿戦争(ボーア戦争/ブール戦争)です。、ラッセルは当初南阿戦争を支持していましたが、植民地戦争の実体が明らかになるにつれて、大きな回心を体験し、南阿戦争反対の立場に変わりました。

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