バートランド・ラッセルの名言・警句( Bertrand Russell Quotes )

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 その後間もなくして,(明らかに秘密にしておく目的で)一部'速記'で書いてある父の日記帳が私の手に入った。父の日記を読んで,父は,私がアリスにプロポーズしたのとちょうど同じ年齢の時に,母にプロポーズしたこと,祖母が私に言ったのとほぼ同じことを父に言ったことを,それから私が日記に記録したのと全く同じ感想や意見を父が日記に記録していたこと,を発見した。このことは,私は自分自身の人生を生きているのではなくて,父の人生をもう一度くり返して生きているのだという不思議な感情を私に与え,遺伝に対する迷信的な信念を生じさせがちであった。

Not long afterwards a diary of my father's, written partly in shorthand (obviously for purposes of concealment), came into my hands. I found that he had proposed to my mother at just the same age at which I had proposed to Alys, that my grandmother had said almost exactly the same things to him as she had to me, and that he had recorded exactly the same reflections in his diary as I had recorded in mine. This gave me an uncanny feeling that I was not living my own life but my father's over again, and tended to produce a superstitious belief in heredity
 Source: The Autobiography of Bertrand Russell, v.1 :
 More info.: https://russell-j.com/beginner/AB14-130.HTM

<寸言>
 ラッセルの両親は、ラッセルが3歳になるまでに、ジフテリアにかかって亡くなっています。その後は祖母にひきとられて育てられますが、祖母の愛情は実の両親の愛情の代わりになりません。自分の両親はどういった人達だったろうかと想像し、しだいに思慕の情が増していったと思われます。
そうして、ふとしたことで亡き父の日記を偶然見つけ読んだところ、自分の考えや感情と酷似していることを発見し、不思議な気持ちにとらわれました。子供は親にいつの間にか似てくると言われますが、幼児の時に亡くなった父親に自分は似ていることを発見し喜んでいるラッセルの姿が想像できます。

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