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良い結婚の精髄は,お互いの人格に対する尊敬が存在し,それに肉体的にも,知的にも,精神的にも深い親密さが結びついていることである。それは,男女間のまじめな愛情を,人間のあらゆる経験のうちで最も実り豊かなものにしてくれる。そのような愛は,およそ偉大で貴重なものがそうであるように,それ自体の道徳を要求し,しばしば,大なるもののために小なるものを犠牲にすることを必要とする。しかし,そういう犠牲は自発的なものでなければならない。なぜなら,自発的でない場合は、せっかく愛のために犠牲を払ったのに,その愛の基礎そのものが破壊されてしまうからである。
The essence of a good marriage is respect for each other's personality combined with that deep intimacy, physical, mental, and spiritual, which makes a serious love between man and woman the most fructifying of all human experiences. Such love, like everything that is great and precious, demands its own morality, and frequently entails a sacrifice of the less to the greater; but such sacrifice must be voluntary, for, where it is not, it will destroy the very basis of the love for the sake of which it is made.
Source: Marriage and Morals, 1929, by Bertrand Russell
More info.: https://russell-j.com/beginner/MM21-140.HTM
<寸言>
愛は強制できない。何らかの人(対象)のために犠牲を払うことは、自発的なものであれば貴いものであるが、強制的あるいは半強制的なものであれば、愛情の基礎そのものを壊してしまい、その価値はほとんどなくなってしまう。
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