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我が子に対して当惑と無能力を感じる母親は、この仕事への適性があり、必要な訓練を受けている女性に、我が子の世話を委ねることをためらってはならない。我が子に対してなすべき正しいことを女性に教えてくれる天から与えられた本能などない。また、ある一定の限度を越えた気づかいは、所有欲のカムフラージュ(偽装)である。
Mothers who feel baffled and incompetent when faced with their children as many mothers do, should have no hesitation in having their children cared for by women who have an aptitude for this work and have undergone the necessary training. There is no heaven-sent instinct which teaches women the right thing to do by their children, and solicitude when it goes beyond a point is a camouflage for possessiveness.
Source: The Conquest of Happiness, 1930, Chap.11:Zest
More info.: https://russell-j.com/beginner/HA24-100.HTM
<寸言>
先進国では幸いなことに、「子供は社会で育てるべきだ」という考え方がしだいに広がり、共働きの家庭は子供を保育所に預けられるようになってきている。日本では、口では男女共同参画社会という掛け声は頻繁になされても、まだそのための制度は確立しておらず、また男性の意識も古いままの部分も少なくない。
現在はコロナで経済はズタズタの状態であるが、復興するためには、女性も男性同様に働けるように社会の仕組みを変革していかなければならないという意識が広まり、日本社会も大きく変わっていくきっかけになるかもしれない。
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