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宗教は歴史が始まる前から存在してきたが,一方,科学はせいぜい四世紀前から存在しているにすぎない。しかし,科学が年月を経て,尊ばれるようになれば,宗教と同じように,我々(人間)の生活をコントロールするだろう。人間精神の自由を好む人々は皆,科学の暴政に反逆しなければならない時期がくることを,私は予感する。にもかかわらず,暴政が避けられないとすれば,その暴政は科学的なものであるほうがよい。
Religion has existed since before the dawn of history, while science has existed for at most four centuries; but when science has become old and venerable, it will control our lives as much as religion has ever done. I foresee the time when all who care for the freedom of the human spirit will have to rebel against a scientific tyranny. Nevertheless, if there is to be a tyranny, it is better that it should be scientific.
Source: Marriage and Morals, 1929, by Bertrand Russell
More info.: https://russell-j.com/beginner/MM18-110.HTM
<寸言>
科学的な方法は真理探求の最も有効なものであるので、科学が人間の自由を制限しすぎるということで科学を捨てることはできない。科学は生命体ではないので、科学が直接的に人間の自由を制限することはない。つまり、科学の暴政というのは、科学を悪用する人間が使うことによって科学の暴政という現象がおきる。従って、科学をできるだけ人間をしめつけないように「善導」する必要があり、そのためには、科学を悪用する権力者に常に注意しなければならない。
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