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バートランド・ラッセル 結婚論 第18章 優生学 n.11 - Marriage and Morals, 1929, by Bertrand Russell

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性道徳の改革は現代の最重要課題

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 ここでも(注:劣等民族の増大の危険性を強調する西欧の狂信的愛国主義などでも)また,以前の二つの場合と同様に,国際的な無政府状態が続いている間に科学が進歩していくなら,我々は,人類の前途にある危険に直面する。科学は我々(人類)のいろいろな目的の達成を可能とするが,我々の目的が邪悪なものであれば,結果は災いとなる。もしも,世界が依然として悪意と憎悪に満ちているなら,世界が科学的になればなるほどますます恐ろしいものになる。それゆえ,こういう感情の毒々しさを減らすことが,人類の進歩の要件である。こういった悪しき感情は(their existence),大部分,誤った性倫理と悪い性教育によってもたらされてきている。文明の将来のためには,ぜび,新しい,よりよい性倫理がなくてはならない。性道徳の改革,現代の最重要な必要(なもの)の一つになるのは,まさに,この事実によっている。

Chapter XVIII: Eugenics, n.11

Here again, as on two former occasions, we are confronted by the dangers facing mankind if science advances while international anarchy continues. Science enables us to realize our purposes, and if our purposes are evil, the result is disaster. If the world remains filled with malevolence and hate, the more scientific it becomes the more horrible it will be. To diminish the virulence of these passions is, therefore, an essential of human progress. To a very great extent their existence has been brought about by a wrong sexual ethic and a bad sexual education. For the future of civilization a new and better sexual ethic is indispensable. It is this fact that makes the reform of sexual morality one of the vital needs of our time.
(掲載日:2017.01.11/更新日: )