バートランド・ラッセルの名言・警句( Bertrand Ru
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 ためらいがちではあるが、私は -現在の物理学や心理学のどちらとも異なるものであるけれども- 究極的には,両者(物理学と心理学)を包括するような科学が生れるだろうという見解に傾いている。物理学の方法は、今日ではもはや存在していないところの「物質」という形而上学的な実体に対する信念に影響されて発展した。そうして、新しい量子力学は誤った形而上学を必要としない異なった方法を持っている。(一方)心理学の方法は、ある程度まで、「心」という形而上学的存在への信念のもとで発展した。物理学と心理学は,両者ともこれらの延々と続いている誤りから完全に解放された時には、心や物質を扱うのはなく、「物理的」とも「精神的(心的)」とも名付けられないような、"事象を扱う科学"へと発達するだろうことは可能だろうと思われる。

I incline - though with hesitation - to the view that there will ultimately be a science embracing both physics and psychology, though distinct from either as at present developed. The technique of physics was developed under the influence of a belief in the metaphysical reality of "matter" which now no longer exists, and the new quantum mechanics has a different technique which dispenses with false metaphysics. The technique of psychology, to some extent, was developed under a belief in the metaphysical reality of the "mind." It seems possible that, when physics and psychology have both been completely freed from these lingering errors, they will both develop into one science dealing neither with mind nor with matter, but with events, which will not be labelled either "physical" or "mental." In the meantime, the question of the scientific status of psychology must remain open.
Source: Religion and Science, 1935, by Bertrand Russell
 More info.: https://russell-j.com/beginner/RS1935_08-110.HTM

<寸言>
 専門化が進むとともに、境界領域の科学も同様に「量産」されている。物理学においては相対性理論と量子力学の理論を統一する試みがなされているが、物理学と心理学の両者を統合化しようとする学問的というか科学的な試みは現れていない。エセ科学的な著作はいっぱいあるにしても・・・。

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