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私の兄がマルセイユで火葬にふされた時,葬儀屋は,神学的偏見のためにそれまで火葬はほとんどされたことはなかったと私に告げた。人間の肉体の諸部分が教会の庭(の墓地)に虫(ミミズなどの地中の虫)(に食べられてとりこまれたもの)や粘土(=土にかえったもの)の形で残っている場合より,(火葬によって)ガス(気体)として発散してしまった場合の方が,神(Omnipotence 全能者)がそれを再び集めるのが余計に困難であるらしい(注:皮肉)。
When my brother was cremated at Marseilles, the undertaker informed me that he had had hardly any previous cases of cremation, because of the theological prejudice. It is apparently thought more difficult for Omnipotence to reassemble the parts of a human body when they have become diffused as gases than when they remain in the churchyard in the form of worms and clay.
Source: Religion and Science, 1935, by Bertrand Russell
More info.: https://russell-j.com/beginner/RS1935_05-030.HTM
<寸言>
世界人口が少ない時は関係者が集まって葬儀を行うことは一族の団結を強化するなり、いろいろよいことがあったであろうが、世界人口が70億を超えた多死社会においては、まともにやったら毎月葬式をやらないといけなくなってしまい、墓を持てない者も多くなってしまう。
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