もし自分自身の記憶をもとに判断してよければ,幼少時代の重要で人格を形成する印象は,子供らしく何かに夢中になっている最中のほんの一瞬だけ意識にのぼってくるにすぎないし,またそれは決して大人には話さないものである。どんなことでも外部から強いられてするということはない幼少時代は,若い時代のうちでも重要な時期であると私は思う。なぜなら,その時期は,こうした見た目には一瞬であるが,しかし実は(生涯消えることのない)必要不可欠な印象を形成する時間を与えるからである。
If I may judge by my own recollections, the important and formative impressions of childhood rise to consciousness only in fugitive moments in the midst of childish occupations, and are never mentioned to adults. I think periods of browsing during which no occupation is imposed from without are important in youth because they give time for the formation of these apparently fugitive but really vital impressions.
Source: The Autobiography of Bertrand Russell, v.1: 1872-1914.
More info.: https://russell-j.com/beginner/AB11-050.HTM
<寸言>
できるだけ早く一人立ちするためには、子供はいろいろなこと(知識や技能)を身に着けなければならない。一通りのことを身に着けた大人は漫然と世界を見ることができるが、子供はそれでは必要なものを身につけることができない。一つのことに集中して身につけ、初めて次に進むことができる。