我々はその気になれば,もっと余暇が持てる。(また)我々は皆,その気になれば,子供を軍隊組織の便利な構成単位(歯車)にしてしまわないで,彼らの衝動に芸術的表現を与えることができるように教育できる。そうしないのは,我々は美よりも力(権力)を愛するからである。・・・。人間性には他に色々な要素があり,それらは少なくとも同等に尊重されるべき価値がある。機械時代がそれらの人間性の諸要素にも然るべき場所を与えるようになるまでは,新しい文明は完全に正常だとは言えないだろう。
We could, if we chose, educate our children so as to enable them to give artistic expression to their impulses, rather than so as to be convenient units in a regiment. We do not do this because we love power more than we love beauty. ... Human nature contains other ingredients, which are at least equally worthy to be honoured. Until the machine age learns to give them their due place, the new civilisation will not be completely sane.
Source: "In praise of artificiality" (In: Mortals and Others: Bertrand Russell's American Essays, 1931-1935, v.1 (1975))
More info.: https://russell-j.com/ARTIFICI.HTM
<寸言>
国民の生活全体の向上を望むことよりも、国全体の富(具体的にはGDP)を増やすことを第一とし、そのために格差が広がってもやむを得ないと考える為政者のことを「国家主義者」という。米国のように2,3%の超富裕層が米国の資産の半分以上を保有しているような国で、平均収入をだしてそののびを言って、それで国民の生活の実態を掴むことはできない。日本でも同様である。平均賃金よりも、収入を5階層にわけて出して、それぞれの階層の賃金の変化を示すべきであろう。