私の見解(意見)が大多数の哲学者といかに異なるかは、ハドソン(H.Hudson)氏が「マインド」誌の1956年4月号に掲載した論文の表題を引用することによって例証できるかも知れない。彼の論文の表題は「何故我々は『我々の頭の中』に起る事柄を目撃したり観察したりできないのか」というものである。私が主張しているのは,我々は我々の頭の中で起こる事柄を目撃したり観察したりできるとともに,我々はそれ以外他の何ものをも決して目撃したり観察したりできない,ということである。
I may illustrate how I differ from most philosophers by quoting the title of an article by Mr H. Hudson in Mind of April 1956. His article is entitled, ‘Why we cannot witness or observe what goes on “in our heads".' What I maintain is that we can witness or observe what goes on in our heads, and that we cannot witness or observe anything else at all.
Source: My Philosophical Development, chap. 2,1959.
More info.: https://russell-j.com/beginner/BR_MPD_02-110.HTM
<寸言>
「なぜ我々は『我々の頭の中』に起こる事柄を目撃したり観察したりできないのか」という問いは、「私」や「我々」の存在を前提としており、間違っている。