バートランド・ラッセルの名言・警句( Bertrand Russell Quotes )

 私が直接知っているものは全て私の「心」の一部(部分)であり,私が他の事物の存在(訳注:たとえば他人の存在)に到達するための推論は決して決定的なもの(conclusive)ではない。従って,(理論上)自分の心以外の何ものも存左しないかも知れない。その場合,自分が死ねば世界(宇宙)は(も)消え去るだろう。しかし,もし,私が自分の心以外の心(他人の心)を認めるつもりなら,私は,(他者だけでなく)天文学的宇宙全てを認めなければならない。なぜなら,その両者(他人の心と天文学的宇宙)の事例に置いて,その(存在の)証拠はまったく同等に強力である(訳注:もし一方の証拠が強力なら他方の証拠も同等に強力である)からである。

Everything that I know directly is part of my "mind," and the inferences by which I arrive at the existence of other things are by no means conclusive. It may be, therefore, that nothing exists except my mind. In that case, when I die the universe will go out. But if I am going to admit minds other than my own, I must admit the whole astronomical universe, since the evidence is exactly equally strong in both cases.
 Source: Religion and Science, 1935, chapt. 8: Cosmic Purpose
 More info.: https://russell-j.com/beginner/RS1935_08-230.HTM

<寸言>
 科学と言えども、各個人の観測した結果(数値/データ)をもとに築かれている。通常の感覚・知覚能力を備えた人間(たとえば自分)の観測結果が信頼できないのなら、多くの通常の能力をもった人間が記録した大量のデータをもとに築かれた科学の信頼性も損なわれる。