『バートランド・ラッセル-反核の論理学者』(学芸みらい社刊)p.119で引用されているラッセルの言葉です。(n.25)
「老齢というものは静穏をもたらし、悪とみえるものでも究極は善となるものの手段だと考えるような広いものの見方をもたらす筈だということがしばしば言われている。私はそのような答えを絶対に受け入れることができない。静穏ということは、今日の世界では、盲目かあるいは無慈悲によってのみ、保つことができるのだ。一般の通念とは違って、私は年を経るごとにだんだんと反逆的になっている。」
One is frequently assured by men who have no doubt of their own wisdom that old age should bring serenity and a larger vision in which seeming evils are viewed as means to ultimate good. I cannot accept any such view. Serenity, in the present world, can only be achieved through blindness or brutality. Unlike what is conventionally expected, I become more and more of a rebel.
Source: The Autobiography of Bertrand Russell, v.3.
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<寸言>
多くの人が年をとったら細かいことを気にせずに穏やかに時を過ごしたいと思うようになる。それは自然な気持ちで悪いことはまったくないが、不正や嘘や悪がはびこっても、それは若い人たちにまかせて、できるだけ「怒りを持たないようにしよう、短気は損気だ」と言ってかかわりあいをさけていると、いつの間にか「社会悪の増進に寄与」しているかも知れない。