古代から,彗星は常に不幸の使者(大災難/大不幸の布告者)(heralds of disaster)と見なされてきた。・・・1455年から1458年まで教皇を務め,トルコ人によるコンスタンチノープル占領(注:いわゆるコンスタンチノープル陥落のこと)に大いに狼狽させられた(狼狽した)カリストゥス3世(Calixtus III)は,この災難をある大きな彗星の出現と結びつけ,「差し迫るいかなる災難(calamity)もキリスト教信者からそらされ,トルコ人に向けられますように」と日々祈祷することを命じた。
From ancient times, comets had always been regarded as heralds of disaster. ...Calixtus III, who was Pope from 1455 to 1458, and was greatly perturbed by the Turkish capture of Constantinople, connected this disaster with the appearance of a great comet, and ordered days of prayer that "whatever calamity impended might be turned from the Christians and against the Turks.”
情報源: Religion and Science, 1935, chapt. 1
詳細情報:https://russell-j.com/beginner/RS1935_02-190.HTM
<寸言>
ハレー彗星などを目撃した古代人は恐怖にかられただろうと想像される。
いまではそんな感情を抱く人はほとんどいないが、狂信者のなかには、そういった類いの感情をいだく人がまだいる。今でも時々、キリスト教の一般(物見の塔など)が街頭で「悔い改めなさい・・・」といっていたりするのを目撃することがある。
政治家も何の根拠もなく、民衆に恐怖感を与える目的で根拠のない外国の恐怖を焚きつけるものがけっこういる。