バートランド・ラッセルの名言・警句( Bertrand Russell Quotes )

 この目的ためには,第一次大戦中の危機的時期における新聞(の記事)と,その後になって正史(注:official history 主に国家によって公式に編纂された歴史)に記述されていることとを比較することは,教育的(為になる)であろう。そうして,戦時ヒステリーの狂気が -当時の新聞に示されているように- あなた(=教師)の生徒の心を打つ時に(苦しみを与えた時に),生徒たちがバランスのとれた,また非常に用心深い判断(力)を養うように気をつけないと,君たち全員が,政府が恐怖と血に対する渇きをちょっと焚きつけただけで,一夜にして,当時(第一次大戦時)と同じような狂気に陥る可能性があるということを,あなたは警告してあげるべきである。

For this purpose, it would be instructive to compare the newspapers at crucial moments during the Great War with what subsequently appeared in the official history. And when the madness of war hysteria, as shown in the newspapers of the time, strikes your pupils as incredible, you should warn them that all of them, unless they are very careful to cultivate a balanced and cautious judgment, may fall overnight into a similar madness at the first touch of government incitement to terror and blood lust.
 情報源: Power, 1938.
 詳細情報:https://russell-j.com/beginner/POWER18_340.HTM

 <寸言>
 政府が都合の悪い歴史を子供に積極的に教育することは余りない。教えるにしても、政府だけでなく、国民もみな同じように思っていたといった情報をあわせて提供するであろう。その国民の声も政府が情報を操作して誘導してできあがったものだとしてもである。