あらゆる国々の警察制度は,容疑者(被疑者)に不利な証拠を集めることは公共の利益になることであるが,容疑者(被疑者)にとって有利な証拠を集めることは容疑者(被疑者)の私的な事柄であるという仮定にその基礎(存立基盤)を置いている。罪を犯した人間が有罪の判決を受けることよりも,無実の人間を無罪とすることのほうがより重要である,とよく言われる。しかし,どこでも,警察の責務(義務)は,犯罪の証拠を探すことであって,無罪の証拠を探すことではない。
The police system of all countries is based upon the assumption that the collection of evidence against a suspected criminal is a matter of public interest but that the collection of evidence in his favour is his private concern. It is often said to be more important that the innocent should be acquitted than that the guilty should be condemned, but everywhere it is the duty of the police to seek evidence of guilt, not of innocence.
情報源: Power, 1938.
詳細情報:https://russell-j.com/beginner/POWER18_120.HTM
<寸言>
警察は自らが逮捕した「容疑者」(現行犯逮捕以外は本来は「推定無罪」のはず)が無罪である、あるいは無罪かも知れない証拠を積極的に集めるはずはない。 国(政府)から、警察トップを経由して指示があれば、警察組織はその指示を受けて全力でその「職務」を果たす。
裁判官でさえも、昇進に影響するということが「少しでも」予想されるのであれば、国が被告となる裁判では、裁判官は国(政府)の意向を「忖度する」裁判官も出てくる可能性がある。
伊藤詩織さんの事件に対する、警察、裁判所、政権、官邸官僚たちは・・・? 総理に近い人物の場合は、犯罪を犯しても追及の手が緩やかになるとしたら・・・?