民主主義がなかったとしたならば、アメリカ西部も、オーストラリアも、ニュージーランドも、少数の白人貴族政治によって支配される半奴隷的な黄色人種の住民の居住地となったであろう。奴隷制度や農奴制の害悪については、我々はよく知っているが、少数派が政治的権力の独占を確保している場合には、多数派は、遅かれ早かれ、奴隷状態あるいは農奴状態へと沈んで行きがちである。全ての歴史は、想像がつくように(注:as might be expected 当然予想されるように)、少数派が多数派の利益にために配慮をするということを信用できない(配慮しないだろう)ということを示している。
But for democracy, Western America, Australia, and New Zealand would be inhabited by a semi-servile yellow population governed by a small white aristocracy. The evils of slavery and serfdom are familiar, and wherever a minority has a secure monopoly of political power, the majority is likely to sink, sooner or later, into either slavery or serfdom. All history shows that, as might be expected, minorities cannot be trusted to care for the interests of majorities.
情報源: Power, 1938.
詳細情報:https://russell-j.com/beginner/POWER18_020.HTM
<寸言>
日本の国民は,野党が分裂しているおかげで、与党(自民党と公明党)の総得票数の2倍くらいの与党議員を国会に送っている。その与党や政府は少数の権力者が支配しており、その結果として、国民の多数(多数派)は一部の少数派の権力者たちによって支配される状態になっている。もちろん、国民にはその自覚はあまりない。