バートランド・ラッセルの名言・警句( Bertrand Russell Quotes )

 同情(心)に限界がある場合には,善の概念にもそれに対応した限界が存在している。(たとえば)度量の大きな人だけが,あるいは(ニーチェの)超人だけが,あるいは(ナチスにおける)アーリア人だけが,あるいは(ロシアにおける)プロレタリアだけが,あるいほキリスト教のアデルフィアン派だけが,善を享受することができる(といったものである)。こうしたことの全ては,猫と鼠の倫理学である。(注:支配する者は支配されるものに同情心を持たない)

Where there is limitation of sympathy there is a corresponding limitation in the conception of the good: the good becomes something to be enjoyed only by the magnanimous man, or only by the superman, or the Aryan, or the proletarian, or the Christadelphian. All these are cat-and-mouse ethics.
 情報源: Power, 1938.
 詳細情報:https://russell-j.com/beginner/POWER15_250.HTM

 <寸言>
 「猫と鼠の心理学」、即ち、「支配する者は支配されるものに同情心を持たない」また「支配される者は支配する者に対し卑屈になる」。
 富裕層や上流階級で「思いやりがある」と言われている人たちの中に、自分たちと同様に豊かでも地位も高くない人たちに対して「非情」人間がいかに多いことか! といって悪ければ「無関心な」人たちがいかに多いことか!