バートランド・ラッセルの名言・警句( Bertrand Russell Quotes )

 二種類の忠誠が要求される。(即ち)自分の意見を言う場合には党の綱領に対する忠誠が一つ;もう一つは,日々の行動における,自党の指導者に対する忠誠である。党の綱領は,名目的には民主的なやりかたで決定される。しかし(実際には)少数の黒幕(注:wire-pullers 操り人形師)による影響を非常に受けている。議会や政府の活動において、党の綱領を実施しようとするかどうかは,(党や政府の)指導者(たち)の決定に委ねられている。彼ら(指導者たち)が党の綱領を実施しないことを決意すれば,彼らの追従者は指導者の背信を投票で支持することが義務であり,一方,彼らは演説においては,背信など起こっていないと否定するのである。

Two kinds of loyalty are demanded : to the programme, in the opinions professed ; and to the leaders, in the action taken from day to day. The programme is decided in a manner which is nominally democratic, but is very much influenced by a small number of wire-pullers. It is left to the leaders to decide, in their parliamentary or governmental activities, whether they shall attempt to carry out the programme; if they decide not to do so, it is the duty of their followers to support their breach of faith by their votes, while denying, in their speeches, that it has taken place.
 情報源: Power, 1938.
 詳細情報:https://russell-j.com/beginner/POWER11_170.HTM

 <寸言>
 強大な権力を持っている者は、公約を何度破っても、「とりまく環境が変わった」とか「柔軟に対応する必要がある」とか言って平気な顔でいられる。最後には、「新しい判断だ」とか「新しい解釈だ」とか言う始末。  それを許している国民も国民ではあるが・・・。