彼ら(精力的な人々)は,一人の人の稼ぎの1%を受け取って,その代りに身辺保護を売りものにするかも知れない。これが所得税と呼ばれるものである(注:国は国民から税金をとる代償に国民の命を守る)。保護の与えかたを決定する規則ができるやいなや,軍事力の支配は法の支配に偽装され(法の支配は実際は軍事力の支配の偽装),無政府状態は終焉する。しかし,法(律)及び経済関係の究極的な基礎は,やはり,自警団の軍事力である。
They (= Energetic men) may, for example, sell protection in return for a percentage of a man's earnings. This is called income tax. As soon as there are rules determining the giving of protection, the reign of military force is disguised as the reign of law, and anarchy has ceased to exist. But the ultimate basis of law and of economic relations is still the military power of the Vigilantes.
情報源: Power, 1938.
詳細情報:https://russell-j.com/beginner/POWER08_040.HTM
<寸言>
国民は、慈愛深い権力者に感謝して進んで税金を納めているわけではない。もともと、土地は誰のものでもなかったが、武力に最もまさっているものが人々を支配し、国家制度を打ち立てた。最初は武力によって人々を「支配」したが、「支配」が長期間経過するうちに、その軍事的側面がうすれてゆき、法によって「支配」が可能となっていった。