国力において宣伝の演ずる役割は,教育の普及とともに増加してきている。大部分の国民が進んで困難を受け止め,多くの国民が進んで(戦争で)死ぬのでない限り,国家は近代戦において成功できない。このような積極性(willingness 進んでする気持ち)を生みだすために,統治者(支配者)は被支配者に対して,この戦争は何か重要な事に関わるものであることを(注:be about something ~に関与する,関わる),即ち,実際,この戦争は殉死に値するほど重要であることを,信じ込ませなければならない。
The part played by propaganda in national power has increased with the spread of education. A nation cannot succeed in modern war unless most people are willing to suffer hardship and many people are willing to die. In order to produce this willingness, the rulers have to persuade their subjects that the war is about something important -so important, in fact, as to be worthy of martyrdom.
情報源: Power, 1938.
詳細情報:https://russell-j.com/beginner/POWER08_170.HTM
<寸言>
敵とは言え、人間を殺害する以上、大部分の人にとって、殺害する理由や価値があると思いこんでもらわない限り、戦場で戦ってもらうことはできない。従って、敵(外国人)に憎しみももたせないといけない。戦争がおこってから急にそんな気持ちに国民をならせるのは無理なので、日頃、仮想敵国に対する憎しみを醸成しておかなければならない。ということで、義務教育においても愛国心を吹き込み・・・。