イングランドでは,ヘンリー八世は,彼らしい精力と冷酷さで(もって)この問題(注:教会の国家への服従)に自ら取り組んだ。彼は自らを英国教会の長であると宣言(布告)することによって,宗教を世俗的かつ国家的なものにする仕事にとりかかった。彼は,イングランドの宗教をもって,キリスト教界(全キリスト教徒)の普遍的宗教の一部でなければならないといった望みはまったく持っていなかった。彼は,イングランドの宗教を,神の栄光よりも自分(ヘンリー八世)の栄光の役に立つ(ものであること)を望んだ。
In England, Henry VIII took the matter in hand with characteristic vigour and ruthlessness. By declaring himself Head of the Church of England, he set to work to make religion secular and national. He had no wish that the religion of England should be part of the universal religion of Christendom ; he wished English religion to minister to his glory rather than to the glory of God.
情報源: Power, 1938.
詳細情報:https://russell-j.com/beginner/POWER07_120.HTM
<寸言>
世界的な宗教であっても、国柄を反映せざるを得ない。
英国においてはヘンリー八世は、離婚を認めないローマン・カトリックに対抗して英国国教会を創設したが、長い年月のうちに、英国国教会は英国に定着していった。