経済的動機が宗教改革の流布(普及)に大いに寄与した一方,それだけでは,宗教改革の流布(普及)の説明としては不十分であることは明らかである。経済的動機は何世紀にも渡って働いてきた(作用してきた)からである。多くの皇帝が教皇に抵抗しようと試みた。即ち,いたるところの元首たち(sovereigns) -たとえば,英国(イングランド)のヘンリー二世やジョン王 - は抵抗を試みた。しかし,彼らの試みは邪悪とされたので,従って,失敗した。教皇職(権)に対する抵抗が成功することが可能となったのは,教皇職がその伝統的な権力を道徳的反抗を引き起こすほど長い間乱用した後であった。
While economic motives contributed greatly to the spread of the Reformation, they are obviously not sufficient to account for it, since they had been operative for centuries. Many Emperors tried to resist the Pope ; so did sovereigns elsewhere, e.g. Henry II and King John in England. But their attempts were thought wicked, and therefore failed. It was only after the Papacy had, for a long time, so abused its traditional powers as to cause a moral revolt, that successful resistance became possible.
情報源: Power, 1938.
詳細情報:https://russell-j.com/beginner/POWER04_250.HTM
<寸言>
いったん絶大な権力を握ると,権力を失わないようにいろいろな手を打つことができるので、長続きする場合が多い。そういった権力が失墜するのは、腐敗が長い間続いた後である。