バートランド・ラッセルの名言・警句( Bertrand Russell Quotes )

 服従衝動も,命令衝動とまったく同様に,現実的かつ普通にあるものであるが,この衝動は恐怖心に根ざしている。・・・第一次大戦が起こった時には,パンクハースト夫妻(注:妻の方は英国の婦人参政権活動家で,夫もその支持者)は,ロイド・ジョージ(注:第一次大戦中の1916年12月に総辞職したアスキス首相に代わって首相に就任)と和を結んだ。深刻な危険のある時には常に,大部分の人間の衝動は「権力」を探し出してそれに従おうとする。そのような時に革命を夢みる人はほとんどいないだろう。戦争が勃発すれば,民衆(国民)は時の「政府」に対して同様の感情を抱くものである。

The impulse of submission, which is just as real and just as common as the impulse to command, has its roots in fear. ... When the War came, the Pankhursts made their peace with Lloyd George. Whenever there is acute danger, the impulse of most people is to seek out Authority and submit to it; at such moments, few would dream of revolution. When war breaks out, people have similar feelings towards the Government.
 情報源: Power, 1938.
 詳細情報:POWER02_050.HTM

 <寸言>
 権力(政権)を失いそうになると戦争に訴える政治家も時々いる。ニクソン大統領もウォーター事件の時、これ以上暴露したら核戦争のボタンを押すぞと言ったと伝えられている。