バートランド・ラッセルの名言・警句( Bertrand Russell Quotes )

 私が擁護(唱道)したい道徳は,成人や青年に向かって「自分の衝動に従い,好きなようにしなさい」と言うことだけで成り立っているものではない。(即ち,)人生には首尾一貫性がなければならない。すぐに利益にはならずまた常に魅力的であるわけにいかない目的を目指して,切れ目のない努力をしなければならない。他人への思いやりも必要である。正直さ(rectitude)についての一定の基準も必要である。  けれども,私は,自制それ自体が目的であるとは考えていないし,我々の制度や道徳的慣習は,自制の必要を最大限ではなく,最小限にするようなものであってほしい,と望んでいる。

The morality which I should advocate does not consist simply of saying to grown-up people or to adolescents: "Follow your impulses and do as you like." There has to be consistency in life; there has to be continuous effort directed to ends that are not immediately beneficial and not at every moment attractive; there has to be consideration for others; and there should be certain standards of rectitude. I should not, however, regard self-control as an end in itself, and I should wish our institutions and our moral conventions to be such as to make the need for self-control a minimum rather than a maximum.
 情報源: Marriage and Morals, 1929.
 詳細情報:http://russell-j.com/beginner/MM21-070.HTM

 <寸言>
 ほとんどのものがそうであるが、「自制」には良い面と悪い面がある。「公平中立を保つために」という言い訳での自制が「権力者への忖度」からであればもちろん好ましくない。NHKは優れた番組をたくさんつくっているが、政治報道、特に安倍総理に関する報道には「忖度」が必要以上に見られ、それに関しては国民のための「公共放送」ではなく、「◯◯◯◯のためのNHK」(国営放送/大本営発表)に見えてしまう。