バートランド・ラッセルの名言・警句( Bertrand Russell Quotes )

 全ての家畜は,科学的な繁殖によって(これまで)大いに品種改良されてきた。人間も,似たような方法で望みどおりの方向に変えることができることは疑問の余地がない。もちろん,人間の場合何が望ましいかを決定することはずっと難しい。体力(増強)を目指して人間を育てたならば頭脳が弱くなってしまうかもしれない。知的能力(向上)を目指して育てたならばさまざまな病気に一段とかかりやすくなってしまうかもしれない。情緒のバランス(能力)を生み出そうとするならば芸術を破壊してしまうかもしれない。

All domestic animals have been improved enormously by scientific breeding, and it is not open to question that human beings could, by similar methods, be changed in any desired direction. It is, of course, much more difficult to determine what we desire in human beings. It may be that if we bred people for physical strength we should diminish their brains. It may be that if we bred them for mental capacity we should render them more liable to various diseases. It may be that if we sought to produce emotional balance we should destroy art.
 情報源: Bertrand Russell :Marriage and Morals, 1929
 詳細情報:https://russell-j.com/beginner/MM18-060.HTM

 <寸言>
 日本も過去においては優生保護法によって,不要な断種が行われてきた。今後も不幸な人間を生み出さないという名目で同じようなことが行われる可能性があるが、同時に、親が望んだ、あるいは国家が望む,デザイナーベビーが知らないうちに「量産」されることになるかも知れない。