バートランド・ラッセルの名言・警句( Bertrand Russell Quotes )

 結論は,次のようになると思われる。即ち,もしも,国家が国際主義的な性格のものであるなら,国家が父親の肩代わりをすることは文明にとって利益であるが,国家が国家主義的で軍国主義的であるかぎりは,戦争が文明にあたえる危機が増大することになる,ということである。家族は,急速に衰退しっつあるが,国際主義の成長は遅々としている。それゆえ,(現在の)事態は,大いに憂慮されるものである。

The conclusion seems to be that the substitution of the State for the father would be a gain to civilization if the State were international, but that so long as the State is national and militaristic it represents an increase of the risk to civilization from war.
 情報源: Bertrand Russell :Marriage and Morals, 1929
 詳細情報:https://russell-j.com/beginner/MM15-100.HTM

 <寸言>
 社会保障の充実は多くの国民が望むところ。しかし、それを餌にあるいはそれと引き換えに国家や権力者に対する服従を強いるのであれば不幸かつ屈辱的なことであり,精神的自由が減少していくことになる。人間(国民)に餌付けを行い、家畜化されるというのは、ハックスレーが描いた「素晴らしい新世界」の実現につながる。