バートランド・ラッセルの名言・警句( Bertrand Russell Quotes )

 神に従うことは,実際上,自分の良心に従うことであるが,人間の良心はそれぞれ異なるかもしれない(違う可能性がある)。それゆえ,良心と法律の間でときどき衝突が起こらざるをえず,その場合,真のキリスト教徒は,法律の命令よりも自分自身の良心に従う人を尊敬するべきだと感じるであろう。(原注:このことの一例として,第一次世界大戦中,ヒュー・セシル卿が良心的参戦拒否者に対して示した寛容さは注目に値する。)初期の文明においては,父親が神であったが,キリスト教では,神が父である。その結果,単なる人間にすぎない親の権威は弱くなった(のである)。

To obey God means, in practice, to obey one's conscience, and men's consciences may differ. There must, therefore, be occasional conflicts between conscience and law, in which the true Christian will feel bound to honour the man who follows his own conscience rather than the dictates of the law. (note: As an example of this, we may note the leniency of Lord Hugh Cecil to conscientious objectors during the war.) In early civilization, the father was God; in Christianity, God is the Father, with the result that the authority of the merely human parent is weakened.
 情報源: Bertrand Russell :Marriage and Morals, 1929
 詳細情報:https://russell-j.com/beginner/MM13-070.HTM

 <寸言>
 米国のトランプ政権はキリスト教福音派の影響が大きく,自分たちは神の声を聞いて政治をおこなっていると思っている狂信主義者が多いように思われる。いや,トランプは神の僕ではなく,悪魔の下僕ではないかとさえ思われる,今日このごろ。