バートランド・ラッセルの名言・警句( Bertrand Russell Quotes )

 他のどこからも,愛がいっさい近づかないように心を閉ざし,結婚(生活)に心を集中させることは,感受性や,同情や,貴重な人間的接触の機会を減少させることになるのは,疑問の余地はまったくない。それは,最も理想主義的な立場から見れば,本質的に望ましいものを壊すことである。そして,あらゆる種類の拘束的な道徳同様に,それは,人生全般に対していわゆる警察官的な見方を増進しがちである。即ち,何かを禁止する機会を絶えず探している見方である。

There can be no doubt that to close one's mind on marriage against all the approaches of love from elsewhere is to diminish receptivity and sympathy and the opportunities of valuable human contacts. It is to do violence to something which, from the most idealistic standpoint, is in itself desirable. And like every kind of restrictive morality it tends to promote what one may call a policeman's outlook upon the whole of human life - the outlook, that is to say, which is always looking for opportunities to forbid something.
 情報源: Bertrand Russell :Marriage and Morals, 1929
 詳細情報:https://russell-j.com/beginner/MM10-100.HTM

 <寸言>
 八方美人であったり,結婚しているのに妻や夫以外の多くの異性に関心を持つことは非難される。しかし,心惹かれる対象から常に目をそらそうとする努力は、その人の成長にとって阻害要因の一つとなる。難しいところではあるが、セルフコントロール能力を高め,できるだけ良いものから目をそらさなくても(心の余裕や平静を保って)自分を見失うことがなく,よいものを相手から吸収できるようになることが理想であろう。