バートランド・ラッセルの名言・警句( Bertrand Russell Quotes )

 私自身は,猥褻を禁止する法律でそういった望ましくない結果をもたらさないようなものを作る(組み立てる)ことが可能だとは考えていない。そしてこの事実に鑑みて,私としてはこの問題については何であれ一切法律は作らないことに賛成したい。この主張(説)を支持する議論には,二つの面がある。一つは(猥褻出版物禁止の)いかなる法律も,悪を禁止すれば必ず善をも禁止しなければならないということ,もう一つは疑いもなく,性教育が合理的であれば(合理的になされていれば)露骨なポルノグラフィックな出版物であってもほとんど害にならないだろうということである。

I do not myself believe that it is possible to frame a law against obscenity which will not have these undesirable consequences, and in view of this fact, I should myself be in favour of having no law whatever upon the subject. The argument in favour of this thesis is twofold: on the one hand, that no law can forbid the bad without forbidding the good also, and on the other hand, that publications which are undoubtedly and frankly pornographic would do very little harm if sex education were rational.
 出典: Bertrand Russell :Marriage and Morals, 1929
 詳細情報:https://russell-j.com/beginner/MM08-160.HTM

 <寸言>  猥褻出版物を取り締まる法律は不要だと言うと,幼児性愛者用の出版物をとりあげる人もいたりするが、それは性を取り締まるというのではなく、幼児虐待という観点から規制したり処罰したりすべきであろう。