バートランド・ラッセルの名言・警句( Bertrand Russell Quotes )
  
 しかし,所有欲は資本主義制度の主要な源泉ですが,飢えを克服した後も生き残る動機のうちで一番強力なものでは決してありません。競争心(対抗心)はもっとより強い動機です。・・・もし,所有欲が常に対抗心(競争心)より強かったら,世界は現在よりももっと幸福な場所であったでしょう。しかし,実際(現実)は,もし,自分たちの競争相手を完全に被滅させることが確かならば,多くの人がこころよく貧乏に耐えることでしょう。そういうことで,(軍備増強のためなどに)現在の課税の水準が高くなっているのです。

But acquisitiveness, although it is the mainspring of the capitalist system, is by no means the most powerful of the motives that survive the conquest of hunger. Rivalry is a much stronger motive. ... The world would be a happier place than it is if acquisitiveness were always stronger than rivalry. But in fact, a great many men will cheerfully face impoverishment if they can thereby secure complete ruin for their rivals. Hence the present level of taxation.
 出典: Bertrand Russell: What Desires Are Politically Important? 1950.
 詳細情報:http://russell-j.com/beginner/0944WDPI-050.HTM

 <寸言>
 他者や他国に勝りたい(優越したい)という競争心(愛国心)を煽ることによって人気を得て,権力を保持し続けようとする政治家。政府や政権の評判が悪くなってきたら,外国の脅威をあおって,国民を政府に頼らせるに限る,というやり方。東西古今,そういった権謀術策にたけた政府にあやつられる国民が多い。