魔女の妖術(魔法)を信じることは,17世紀の中頃まで,みずからを正義として残忍な行為をする心地よい情緒に,もっとも満足すべき吐け口を提供した。そのような信仰には,聖書による保証があった。というのは聖書は次のように言っているからである。「汝,魔女をして生かすべからず(魔女を生かしておいてはならない)」。・・・現代においては,同様の感情が外国を恐れるという形で吐け口を見出したのであり,この吐け口には,迷信による支えという方法は,それほど必要としない,ということを告白しなければならない。
The belief in witchcraft, until about the middle of the seventeenth century, afforded a most satisfying outlet for the delicious emotion of self-righteous cruelty. There was Biblical warrant for the belief, since the Bible says: 'Thou shalt not suffer a witch to live.' ... In modem times, these same emotions find an outlet in fear of foreign nations, an outlet which, it must be confessed, requires not much in the way of superstitious support.
出典: Bertrand Russell: Ideas That Have Harmed Mankind,1946.
詳細情報:http://russell-j.com/beginner/0861HARM-070.HTM
<寸言>
自分の悪しき感情をぶつける対象(弱者や敵国)を見つけたいという衝動。