私は自分自身のことを、順番に、自由主義者である・社会主義者である・平和主義者であると想像してきたが、私は深い意味においては決してそのようなものではなかった。常に懐疑的な知性が、それに沈黙を守っていてほしいと最も望んでいる時に、私に囁きかけ疑惑を吹きこみ、他の人々の安易な熱狂から私を引き離し、孤独の寂寥に送りこんだのである。
I have imagined myself in turn a Liberal, a Socialist, or a Pacifist, but I have never been any of these things, in any profound sense. Always the sceptical intellect, when I have most wished it silent, has whispered doubts to me, has cut me off from the facile enthusiasms of others, and has transported me into a desolate solitude.
出典:The Autobiography of Bertrand Russell, v.2 chap. 1:The First War, 1968, pp.37-38.(= Allen and Unwin ed.]
詳細情報:http://russell-j.com/beginner/AB21-320.HTM
<寸言>
第一次世界大戦が勃発して以後,ラッセルは疑うことなく反戦活動に情熱的に取り組んだ。そのことについてはまったく後悔はないが、しかし、心の憶測では懐疑的な知性が潜んでおり、誰とも心から共鳴して一心同体となることはなかった。