バートランド・ラッセルの名言・警句( Bertrand Russell Quotes )
  
 私が形而上学(世界の根本原理を探究する学問)に興味をもっているということを祖母が発見した時、彼女は、形而上学の問題の全ては次のように要約できる、と私に言った--「心(精神)とは何か---たいした問題ではない(物の数に入らない)。物質とは何か、---気にしてはいけない」
 この言葉を15,16回くりかえしているうち、面白くなくなった。しかし形而上学に対する祖母の敵意は、その生涯を終えるまで続いた。

When she (= Russell's grandmother) discovered that I was interested in metaphysics, she told me that the whole subject could be summed up in the saying: 'What is mind? no matter; what is matter? never mind.' At the fifteenth or sixteenth repetition of this remark, it ceased to amuse me, but my grandmother's animus against metaphysics continued to the end of her life.
 出典: The Autobiography of Bertrand Russell, v.1, chap. 2: Adolescence
 詳細情報:http://russell-j.com/beginner/AB12-130.HTM

 <寸言>
 (松下注:『ラッセル自叙伝』(理想社)の訳者の日高氏は What is matter? を「問題は何か」と訳されている。ここは言うまでもなく、'心'(精神)と'物'(質)を対比させており、しかも,'What is mind?' に対しては 'no matter'、What is matter?' に対しては 'never mind' と凝った言い方をしている。)   [n.0078:禁欲主義]  禁欲主義にひそむねじれた残酷な感情。自分に厳しすぎる人は,他人に対して,往々にして非寛容的であり,屈折した情緒を抱き易い。古今東西の宗教家,生徒指導に燃える教師,多くの愛国主義者達,・・・?