もしも,ある人が,いったん適切な職業に適切な環境のもとにつけば,たいていの場合,社会的迫害をまぬがれることができるが,一方,彼が若く,彼の長所がまだ証明されていない間は,自分が何も知らないような事柄についても判断を下す力があると思いこんでいる無知な人びとから,いいようにあしらわれやすい。
If a man is once launched upon the right career and in the right surroundings, he can in most cases escape social persecution, but while he is young and his merits are still untested, he is liable to be at the mercy of ignorant people who consider themselves capable of judging in matters about which they know nothing, ...
出典: The Conquest of Happiness, 1930, chap.9:Fear of public opinion.
詳細情報:http://russell-j.com/beginner/HA19-040.HTM
<寸言>
適材適所とはよく言われるが,言うは易くして行うは難し。
組織を統制・管理しやすいようにすることが第一と思い人事を行っていると,その組織はいずれ窮屈な,働きにくい職場となってしまう。
自分が使いやすい人間ばかりを集めれば,その人事担当者は組織はうまく動いていると感じるかもしれないが,いずれ裸の王様となってしまいがち。
特に,(たとえ人を動かす理由がなくても)ほとんど例外なく,2、3年毎に定期的に人を動かす官庁(以前国の組織だった国立大学法人も含む)では,仕事の中身を知らずに,(部下としての扱いやすさや,上の意向を組んだ)安易な人事が多すぎる,と思うが・・・。