'ねたみ'は,幼少期における不幸によって著しく助長される,と思われる。兄弟姉妹の誰かが自分よりもかわいがられているのを発見(目撃)した子供は,'ねたみ'の習慣を身につける。そして,世間に出ると,自分が犠牲者となっている不公平を捜しまわり,不公平が起これば即座に認知し,起こらなければ不公平を想像する。
I think envy is immensely promoted by misfortunes in childhood. The child who finds a brother or sister preferred before himself acquires the habit of envy, and when he goes out into the world looks for injustices of which he is the victim, perceives them at once if they occur, and imagines them if they do not.
出典: The Conquest of Happiness, 1930, chap.6: Envy
詳細情報:http://russell-j.com/beginner/HA16-040.HTM
<寸言>
兄弟の仲が(大人になってからも)悪いのは,両親のいずれか(あるいは両方)が子供への接し方に問題があったという場合が多いと思われる。両親がいずれかの子どもをえこひいきすれば,子どもは敏感に感じ,ひがみやすくなる。親が口で「兄弟仲良くしなさい」と何度いっても,虚しくひびき,効果はほとんどなさそう。