バートランド・ラッセルの名言・警句( Bertrand Russell Quotes )

 キリスト教とイスラム教の争いにおいては、どこの国がキリストを信じどこの国がマホメットを信じるものとされるかを決めるのは、戦争であった。プロテスタントとカトリックとの争いにおいても、問題を解決するのはやはり軍事的な勝敗だった。南北アメリカが現在キリスト教国であるのは、ヨーロッパの軍隊がインディアンの軍隊より強かったからである。この長い歴史が、両陣営の政治家や一般人のものの見方に深く根をおろしてきたために、現代の世界で要求される新しい流儀によって思考することがきわめて難しくなっている。

In the conflicts between Christianity and Islam, it was war that decided which countries should be Christian and which Mohammedan. In the conflicts between Protestants and Catholics, it was again military success and failure that decided the issue. America, North and South, is Christian because European arms were more effective than those of Red Indians. This long history has become so deeply embedded in the outlook of both statesmen and ordinary men that it is extremely hard to think in the new terms required in the modern world.
 出典: Common Sense and Nuclear Warfare, 1959, pp. 41-42.
 詳細情報:Not available

 <寸言>
 同様に,日本の仏教徒のなかでどの宗派を信じるかは、先祖がたまたまの事情で特定の宗派を信じるようになったためにすぎない。各自が各宗教を比較検討して特定の宗派を信じることに決めているわけではない。