自己分裂している人間は,興奮と気晴らしを追い求める。彼は,強い情熱を好むが,それには十分な理由があるわけではなく,しばらくの間,その情熱が我を忘れさせ,骨の折れる思考の必要性から遠ざけてくれるからである。 彼にとって,いかなる情熱も陶酔の形となり,根本的な幸福などは想像できないので,彼には,苦痛からの救いはすべて陶酔の形でしか可能でないように思われる。
The man divided against himself looks for excitement and distraction; he loves strong passions, not for sound reasons, but because for the moment they take him outside himself and prevent the painful necessity of thought. Any passion is to him a form of intoxication, and since he cannot conceive of fundamental happiness, all relief from pain appears to him solely possible in the form of intoxication..
出典: The Conquest of Happiness, 1930, chap.7:the sense of sin
詳細情報:http://russell-j.com/beginner/HA17-100.HTM
<寸言>
フーリガンに見られるような,サッカーを始めとするスポーツ等に対する過度な熱狂。
常に'興奮'と'気晴らし'を追い求める心性。
9.11,IS,北朝鮮・・・,大きな天災・人災さえも,自分や家族に直接関係なければ,興味がまず先行してしまう。
仮想の敵やスケープ・ゴードをやっつけろのスローガン,・・・右も左も真ん中も。
マスコミも,多くの人が関心を持っているからということで,そういった人間の気持ちにのっかり、ことさら刺激的にそういった話題をとりあげる。