自発的に独りでする勉強は生徒に発見の機会を与え,そうして,あらゆることが授業(or学級)で教えられる場合に比べて、よりしばしば,またより強烈に,知的冒険の感覚が与えられるのである。可能な場合はいつでも,生徒を受動的ではなく,能動的にさせよう。これは,教育を苦痛ではなく,喜びにする秘訣の一つである。
Initiative and individual work give the pupil the opportunity of discovery and thus afford the sense of mental adventure far more often and more keenly than is possible where everything is taught in class. Wherever it is possible, let the student be active rather than passive. This is one of the secrets of making education a happiness rather than a torment.
出典:On Education, especially in early childhood, 1926, Pt. 2:Education of character, chap. 14: General principlesl
詳細情報:http://russell-j.com/beginner/OE14-160.HTM
<寸言>
現代人は知るべきことがたくさんあるということで、余りものを考えさせないような「詰め込み教育」をすれば、生徒から勉強に対する自主性を奪ってしまう。
受験教育も悪影響を与えている。大学受験に合格するための知識やテクニックが最重要ということで高校以下の教育が行われれば、必ずしも答えがあるとは限らない諸問題について、自分の頭で考える習慣は身につかない。そういった習慣はできるだけ若い内に身につける必要があり、大学に合格してから時間をかけて身に付ければ良いというようなものではない。
企業が使いやすい、政府に従順な子弟を大量生産するためには、そのような教育法は効果的であろうが、そのような教育法では、他人の意見を気にする、自主性の乏しい、付和雷同しやすい国民を多く生み出すことになってしまうだろう。