バートランド・ラッセルの名言・警句( Bertrand Russell Quotes )

 精神分析学者(精神分析医)の中には,子供の遊びの中に性的象徴を見ようとしたものがいる(注:フロイトなど)。これは馬鹿らしい考え(たわごと)である,と私は確信している。幼年期の主な本能的な衝動は,性ではなくて,おとな(一人前)になりたいという欲望である。もっと正確に言うなら,力(権力)ヘの意志である。

Some psycho-analysts have tried to see a sexual symbolism in children's play. This, I am convinced, is utter moonshine. The main instinctive urge of childhood is not sex, but the desire to become adult, or, perhaps more correctly, the will to power. 
 出典: On Education, especially in early childhood, 1926, Pt. 2: Education of character, chap. 5: Play and fancy
 詳細情報:http://russell-j.com/beginner/OE05-020.HTM

 <寸言>
 フロイトの言っていること(子どもにおけるリビドーの支配力の大きさ、エディプル・コンプレックス、その他)をそのまま信じている精神科医や心理学者がまで少なからずいそうですが、「できるだけ早く大人のように一人前になりたい」という生物共通の動因・誘引のほうが大きな支配力を持っているという(ラッセル)意見の方が納得できます。