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バートランド・ラッセル英単語_語源を参考に理解_028

uni = 1



清水建二(編)『英語の語源大全』p.122-125から引用

 現代英語で使われる不定詞の"a"と"an"は、後に続く名詞が子音で始まる場合には"a"を、母音で始まる場合には"an"を使います。12世紀頃、"an"は子音や母音に関係なく「一つの」という意味で、単数形の名詞の前で使われました。
 不定冠詞の"an"から生まれたのが数字の「1」を表す"one"です。
”an”と"one"に発音や形の似た単語の"any”は、"an"や"one"に"y"がついた形で、全体の中からランダムに一つを取り出す、つまり、「どの一つをとっても」から「どれでも」とか「何か一つでも」という意味になります。
 "alone"は「all(全く)+ one(一人)」から生まれた単語で「たったひとりで、孤独で、ただ~のみ」ということです。
 数字の「1」を表す"an","a","one"の元になったのがラテン語の"uni"です。

* lonely : alone から a がとれて lone(ただ一人の)ができ、それから派生して lonely (一人ぼっちの、寂しい」という語が生まれた。
* uniform : unit(一つの)+ form(形)→ 「制服」
* United (States of America) : United(一つにされた)
* unanimous : 息(anim)を一つにする→「全員一致の」
* unify : 統一する
* unique : 唯一の、特有の

★ unicorn 【(n) 1本の角とライオンの尾をもつ伝説の動物;一角獣;(聖書)単角野牛;[the Unicorn で]一角獣座;(証券)ユニコーン(時価総額が10億ドル以上で、株式未公開/未上場)のベンチャー企業のこと)】

1.ラッセルの用例


ラッセル英単語・熟語1500
Sceptical as to the existence of unicorns and salamanders, the age of Machiavelli and Henry VIII found food for its credulity in the worship of that rare monster,
[マキアヴェリとヘンリー八世の時代は,(旧約聖書に出てくる)一角獣(ユニコーン)や火蛇の実在に懐疑的であったが,世にも稀な怪物,即ち,神が恐れる君主(諸侯)に対する崇拝に軽信の糧を見出したのであった。]
 出典:ラッセル『権力』第7章「革命的な権力

Propositions are only true or false. If you take 'x is x', that is a propositional function which is true whatever 'x' may be, i.e. a necessary propositional function. If you take 'x is a man', that is a possible one. If you take 'x is a unicorn', that is an impossible one. Propositions can only be true or false, but propositional functions have these three possibilities.
[命題は真か偽であるだけです。 「ⅩはⅩである」は、「Ⅹ」が何であろうと真になる命題関数、つまり必然的な命題関数です。「Ⅹは人間である」なら可能な、「Ⅹは一角獣である」なら不可能な命題関数になります。  命題は真か偽のどちらかでしかありえませんが,命題関数には以上3つの可能性があります。]
 出典:Bertrand Russell: The Philosophy of Logical Atomism, 1918.
 詳細情報:https://russell-j.com/wp/archives/532

2.参考例

In stories and legends, a unicorn is an imaginary animal that looks like a white horse and has a horn growing from its forehead.
 出典:Collins COBUILD English Dictionary for Advanced Learners, new ed.