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ラッセルの英語_日英語表現辞典シリーズ

r_nichieigo_hyogen_t01: treadmill 踏み車

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 最所フミ(編著)『日英語表現辞典』(ちくま学芸文庫,2004年1月)を参考にした「ラッセルの英語_日英語表現辞典シリーズ」(通称 R日英表現)です。 総索引

★ treadmill 踏み車 (pp.244-245)

 「踏み車(treadmill)」というのは、電力誕生以前に動力を作り出した方法であり、平にした円盤の周囲を人や牛馬に踏ませて回転させ、その動力を利用した装置。昔は囚人に刑罰として課した苦役(無意味な単調な繰り返しなので耐えられない苦痛=苦役となる)。
 (松下注:因みに、tread (v)は「(道などを)歩く;(~を)踏みつける;慎重に扱う」
* Various surveys indicate that most blue-collar workers feel themselves on a treadmill.(種々の調査によれば、肉体労働者の大部分は毎日の仕事にやりきれない単調さを感じている)。


 R英単語・熟語集の用例とはできるだけ重複しないようにしますが、用例が少ない場合はどうしても重複してしまいます。あしからず。


A.ラッセルの著作における用例

<用例1>
A dog will pursue rabbits to the point of complete exhaustion and be happy all the time, but if you put the dog on a treadmill and gave him a good dinner after half an hour, he would not be happy till he got the dinner, because he would not have been engaged in a natural activity.
[犬は完全に疲れきってしまうまで兎を追いかけるだろうが、追いかけている間ずっと幸福であるだろう。しかし,犬を踏み台にのせて(運動させ)半時間後にご馳走を与えるとしたら、犬は,その間,自然の活動に従事していたのではなかったであろうことから、食物を食べるまで幸福ではないだろう。]
 出典:ラッセル幸福に至る道

<用例2>
It is very singular how little men seem to realise that they are not caught in the grip of a mechanism from which there is no escape, but that the treadmill is one upon which they remain merely because they have not noticed that it fails to take them up to a higher level.
[次のような事実を認識している人がほとんどいないように思われるのは,なんとも奇妙である。即ち,人びとは,逃げ場のないメカニズムにしっかり捕まっているのではなく,踏み車を踏んでいるのであり,いつまでもそれをやめないのは,踏み車で自分を高いレベルに引き上げることはできないということに気づいていないからにほかならない,という事実である。]
 出典:ラッセル『幸福論』第3章「競争


B.他の参考例

<参考例1>
"Watch out! You don't want to tread in another puddle."
[気をつけて! また水たまりを歩きたくないでしょう]
 『英単語ターゲット1900』p.397

<参考例2>
You'll have to tread carefully when you discuss that subject with him.
[その問題を彼と話し合う時は、注意深く、慎重に取り扱わなければならない。]
 『新版完全征服データベース5500 合格 英単語・熟語』p.303

<参考例3>
She was glad to escape from the treadmill of office life.( = its repeated uninteresting work)
 Longman Dictionary of Contemporary English, new ed.