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バートランド・ラッセルの英語_日英語表現辞典シリーズ - r02: rhetoric 美辞麗句,修辞

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 最所フミ(編著)『日英語表現辞典』(ちくま学芸文庫,2004年1月)を参考にした「ラッセルの英語_日英語表現辞典シリーズ」(通称 R日英表現)です。 総索引

★ rhetoric 美辞麗句,修辞,修辞学 (pp.198-199)

 イギリスとアメリカとではニュアンスがまったく違う言葉で、イギリスでは「美辞麗句」の意であり、そこには空虚なひびきがあると解されている。"a rhetorical question"と言えば、本当の疑問ではなく、答えはわかているのにわざわざ修辞的に用いられる疑問形で、あってもなくてもよい句(表現)のこと。
 これに対し、アメリカの"rhetoric"は "English composition"(英作文)のこと。
* Do you know what a paragraph is ? Find out from the nearest rhetoric."(あなたはどうもパラグラフの意味を知らないようだ。英作文の教科書を何でもいいから見てみなさい。)


 R英単語・熟語集の用例とはできるだけ重複しないようにしますが、用例が少ない場合はどうしても重複してしまいます。あしからず。


A.ラッセルの著作における用例

<用例1>
His style is unduly rhetorical, and sometimes, in malicious moments, I have thought it not unlike Macaulay's.
[彼の文体はあまりにも修辞的でありすぎる。それで時折,意地悪く見る時には,マコーレー(Macaulay, Thomas Babington, 1st Baron, 1800-1859/英国の歴史家,評論家,政治家)の文体とそうちがわないと私は思った。]
 出典:ラッセル『自伝』第1巻 第3章 「ケンブリッジ大学時代

<用例2>
One way of being thought wise is to defend current prejudices in glowing and eloquent language so that rhetoric conceals the lack of reasoning power and the failure of sympathetic understanding.
[世間から賢い人間だと思ってもらう方法の一つは、その時代の偏見を熱烈な雄弁で擁護し、その弁舌の修辞で自分の推論能力の不足や、同情的理解ができなかった事実(思いやりのなさ・共感的理解能力のなさ)を覆いかくすことである]
 出典:ラッセル『アメリカン・エッセイ集』の中の「畏敬の念について

<用例3>
By such means, the pupils could learn discussion as a means of ascertaining truth, not as a contest for rhetorical victory. .
[そういう方法によって、生徒たちは、討論を言葉の上での勝負を争うもの(修辞のうまさを競うもの)としてではなく、真理を突きとめる手段として学ぶことができるだろう。]
 出典:ラッセル『教育論』第三部_知性の教育_第16章「大学入学前の数年間:後期中等教育


B.他の参考例

<参考例1>
full of rhetoric
[美辞麗句に満ちた]
 出典:『究極の英単語-上級の3000語』p.125

<参考例2>
empty rhetoric / the rhetoric of political slogans
 出典:Oxford Advanced Learner's Dictionary, 8th ed.