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バートランド・ラッセルの英語_日英語表現辞典シリーズ - r_nichieigo_hyogen_f01: for (賛成、支持など)

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 最所フミ(編著)『日英語表現辞典』(ちくま学芸文庫,2004年1月)を参考にした「ラッセルの英語_日英語表現辞典シリーズ」(通称 R日英表現)です。 総索引

★ for(in favour of; in support of; in agreement with; in defense of : pp.087-088)

 "There is much to be said for it."(そのものを擁護して言うべきことがいろいろある)という文のなかの"for"は"against"の反対、即ち、「賛成」や「支持」を意味している。この一文を「それにはいろいろ言うことがある」や「それにはいろいろ文句がある」と誤訳する人がいる。
 一番いけないのは、「~に対して」とか、「~のために」という訳語で"for"を片付けてしまうことである。
 "I have no use for you."の意味するものは謙遜(「私はあなたの役に立ちません」)でも皮肉でもなく、かなり露骨な反感の表示であると受け取らなければならない。この文は、"I have no time for you."とか、"I am not going to waste my breath on you."という強い表現に置き換えることができるからである。つまり、「あなたのために時間を費やすのはごめんだ」という意思表示である。

 R英単語・熟語集の用例とはできるだけ重複しないようにしますが、用例が少ない場合はどうしても重複してしまいます。あしからず。


A.ラッセルの著作における用例

<用例1>
Of the above considerations, both for and against boarding schools, there are only two that are essential and unalterable, and these two are on opposite sides.
[以上の寄宿制(全寮制)の学校に対する賛否両論の考察のうちで,本質的で変更不可能なものは二つしかなく,また,この二つは,相互に対立している。]
 出典:ラッセル『教育論』第三部_知性の教育_第17賞「通学制の学校と寄宿制の学校

<用例2>
Let us now consider more closely the meaning of the axiom of internal relations and the grounds for and against it.
[さて、内面的関係の公理の意味とそれに対する賛否の理由(根拠)についてもっと入念に(closely)考察してみよう。]
 出典:ラッセル『私の哲学の発展』第5章「一元論にそむいて多元論へ

<用例3>
We found no arguments either for or against this axiom.
[我々はこの公理(選択公理)を真、あるいは偽とする論拠をまったく見い出さなかった。。]
 出典:ラッセル『私の哲学の発展』第8章「数学原理ーその数学的側面

<用例4>
Perhaps, when we come to examine the arguments that have been used for and against determinism, we shall find that what people have had in mind was something rather less definite than the principle at which we have arrived.
[おそらく,我々が決定論を肯定あるいは否定する議論(論拠)を吟味すると,人々が心に抱いていたものは,我々が到達した原理(注:上述)よりもどちらかというと明確でないものであったということを発見するだろう。]
 出典:ラッセル『宗教と科学』第6章「決定論


B.他の参考例

<参考例1>
Are you for the government or against it?
 出典:Longman Dictionary of Contemporary English, new ed.

<参考例2>
If you are for something, you agree with it or spport. / Are you for or against public transport?
 出典:Collins COBUILD English Dictionary for Advanced Learners, new ed.