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バートランド・ラッセル 教育論 第二部_性格の教育_第9章_罰(松下 訳) - Bertrand Russell On Education, 1926

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第9章_罰 - 子供に生命を尊重を教える


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 残酷さのような性格上の重大な欠陥は,めったに罰(を与えること)によって取り扱うことはできない。いやむしろ,そういった欠陥(欠点)を取り扱うにあたって,罰の果たす役割は,ごく小さなものでなければならない。動物に対する残酷さ(動物虐待)は,男の子にとって,多かれ少なかれ自然なものであり,それを防ぐためには,そのための(特別な)教育が必要である。あなたの息子が動物をいじめる(虐待する)まで待ち,目撃しだい,息子をいじめにかかるというのはとてもまずいやり方(plan)である。これでは,見つからなければ(よい)と望むようにさせるだけである。後に残酷さに発達する可能性のあるものについては,その最初の芽ばえから,監視すべきである。子供に生命を尊重することを教えよう。あなたが動物を殺しているところを子供に見せてはならない。たとえスズメバチやヘビでもよくない。どうしても殺さざるをえないときは,なぜ特にこの場合は殺したかについて,ごく慎重に説明してあげよう。もし子供が年下の子にやや不親切なことをしたら,すぐに彼にも同じことをしてやろう。彼はきっと文句を言うだろう。そうしたら,自分にして欲しくなければ,他の人にもしてはいけない,と説明してあげることができる。このようにすれば,他人もまた自分と同じような感情を持っているという事実に,彼の注意を,生き生きとむけさせることになるのである。

Pt.2 Education of Character - Chap.9 Punishment

Grave faults of character, such as cruelty, can seldom be dealt with by means of punishment. Or rather, punishment should be a very small part of the treatment. Cruelty to animals is more or less natural to boys, and requires for its prevention an education ad hoc. It is a very bad plan to wait until you find your boy torturing an animal, and then proceed to torture the boy. This only makes him wish he had not been caught. You should watch for the first beginnings of what may afterwards develop into cruelty. Teach the boy respect for life; do not let him see you killing animals, even wasps or snakes. If you cannot prevent it, explain very carefully why it is done in this particular case. If he does something slightly unkind to a younger child, do the same to him at once. He will protest, and you can explain that if he does not want it done to him he must not do it to others. In this way the fact that others have feelings like his own is brought vividly to his attention.

(掲載日:2015.04.28/更新日: )