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バートランド・ラッセル 私の哲学の発展 16-09 - My Philosophical Development, 1959, by Bertrand Russell

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第16章 「非論証的推論」n.9 - 一般法則と個別的出来事との関係

(さて)科学だけでなく、(我々の)常識の大部分は、個別的出来事(個々の出来事)ではなく、一般的法則(一般法則)に関係している。けれども、一般的法則についての我々の知識は、それが経験的知識である場合は、多くの個別的な出来事についての知識から、- 正当にあるいは不当に- 推論される(ものである)。 「犬は吠える」というのは一般的法則であるが、個別的な(個々の)犬が個別的な(個々の/特定の)機会に吠えているのを人々が聞いたことがなければ、この一般的法則は知られることはできない(我々は知ることはできない)。そういう個別的出来事についての我々の知識は - 一部の哲学者達- 特に論理実証主義者達が十分に考察してこなかった,多くの問題を引き起こす(もたらす)ことに私は気づいた。しかし、これらの問題は、非論証的推論に含まれる問題ではない。なぜなら、我々が(今)とりあげている推論は、たとえば吠える声を聞いて犬だと推論する場合に我々が用いるような、一つの一般的法則によってのみ根拠づけられるところのものだからである。 科学の求める法則は、大部分、ある意味で、因果的なものである。 そうしてそのことは、「因果法則とは何を意味するか、因果法則が(現実に)生じること(因果法則が存在しているということ)について、いかなる証拠があるのだろうか?」という問いをもたらす。

Chapter 16: Non-Demonstrative Inference , n.9


ラッセル英単語・熟語1500
Not only science, but a great deal of common sense, is concerned, not with individual occurrences, but with general laws. Our knowledge of general laws, however, when it is empirical, is inferred, validly or invalidly, from our knowledge of a number of particular occurrences. ‘Dogs bark’ is a general law, but it could not be known if people had not heard particular dogs barking on particular occasions. I found that our knowledge of such particular occurrences raises problems which some philosophers, notably the logical positivists, have not sufficiently considered. These problems, however, are not those involved in non-demonstrative inference, since the inferences with which we are concerned can only be justifiable in virtue of some general law such as you employ when, hearing a bark, you infer a dog. The laws that science seeks are, for the most part, in some sense causal. And this brings me to the question, ‘What do we mean by causal laws, and what evidence is there of their occurrence?'
(掲載日:2022.04.04/更新日: )