バートランド・ラッセルの名言・警句( Bertrand Russell Quotes )

 哲学が行うべき第一は,知的想像力を拡大することである。動物は,人間を含め,(この)世界をここと今から成っている(ひとつの)中心から眺める。・・・
 科学は,この地理的,年代記的な牢獄から逃れようと試みる。物理学では,時空の座標の原点(をどこに置くか)は全く任意であり,物理学者は,彼の観点(立脚地)とは何の関係もなく,シリウス(星)や銀河系の外にある星雲の住民にとっても,同様に真であることを言おうとする。

The first thing that philosophy does, or should do, is to enlarge intellectual imagination. Animals, including human beings, view the world from a center consisting of the here and the now. ...
Science attempts to escape from this geographical and chronological prison. In physics the origin of co-ordinates in space-time is wholly arbitrary, and the physicist aims at saying things which have nothing to do with his point of view but would be equally true for an inhabitant of Sirius or of an extra-galactic nebula.
 出典: Bertrand Russell: A Philosophy of Our Time (1953)
 詳細情報:http://russell-j.com/beginner/1026_PfOT-020.HTM

 <寸言>
 哲学者も他の科学者同様、「いま」と「ここ」の束縛から逃れることができない。しかし、そうであっても、他の科学者よりも、よりそのような束縛から逃れようとする努力によって、わずかであっても、より自由な思考が「可能」となる。「可能」なだけであるが・・・。