バートランド・ラッセルの名言・警句( Bertrand Russell Quotes )
  

 自由に関する一般的退歩(悪化)には理由がある。それは,組織の増大した権力及び人間活動があれこれの大組織によって統制される程度の増大である。あらゆる組織には二つの目的がある。一つは組織が存在する表向きの目的であり,他の一つは役人(officials)の権力の増大である(注:あらゆる組織のことを言っているので,officials は,ここでは官僚=公務員だけでなく,権限を有している全ての役職者のことを言っていると解釈すべきか/また,いかなる組織も常に規模を大きくしようとする力が働くことを言っている)。後者(二番目)の目的の方が,関係する役人がそれに奉仕するのを期待される公けの目的よりも彼ら役人にずっと強く訴えそうである。

There is a reason for the general deterioration as regards liberty. This reason is the increased power of organizations and the increasing degree to which men's actions are controlled by this or that large body. In every organization there are two purposes: one, the ostensible purpose for which the organization exists; the other, the increase in the power of its officials. This second purpose is very likely to make a stronger appeal to the officials concerned than the general public purpose that they are expected to serve.
 出典: Bertrand Russell: Symptoms of Orwell's 1984,(1954)..
 詳細情報:http://russell-j.com/beginner/1070_SoO-050.HTM

 <寸言>
 組織で力を持つには'ひと'(人事)と'かね'(財務)の権限を握らなければならない。そこで,人事権や予算の裁量権(予算案作成の権限及び予算執行の権限)を握ろうと競争が起こる。
 独立法人化した国立大学においても同様。文科省から天下ってくる役人(人事担当の理事や事務局長になる高級官僚や人事部長や財務部長になるエリート官僚)は,東大法学部の出身者が多く,影で国立大学の異動官職の須要な全国人事を操って,特権や利権をほしいままにしている(表向きは各大学が独自の人事をやっていることになっている)。もちろん,少数の立派な官僚はいるが,ヒラメのように目が上についている人間が多く・・・。
 

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